2025年3月期の経営成績の概況
当連結会計年度におけるわが国経済は、期初には物価高騰の影響による個人消費の弱含みが見られたものの、期中から後半にかけては、雇用・所得環境の改善や、企業の景況感が良好に推移したことにより、緩やかな回復基調となりました。一方で、欧米における高い金利水準の継続に伴う影響や、海外経済の下振れによる輸出の減少等、景気の変動に注意を要する状況が続きました。
国内製造業につきましては、期の中盤には半導体製造装置などを中心とした生産用機械工業や自動車関連工業、電子デバイス産業等の生産が増加する局面もありましたが、年間を通じては回復と弱含みを繰り返すなど、一進一退の動きとなりました。
このような環境のもと、当社グループにおきましては中期経営計画「Go forward STAGE3」の2年目にあたる事業年度として、薬品貯蔵設備の増強効果等により当社の基盤である化学品事業の収益が拡大し、業績に貢献いたしました。また前期に引続きパッケージ加工設備等への事業投資を推進し、時代の変化に即したビジネスモデルの発展を念頭に事業活動に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高65,146百万円(前期比1.6%増)、営業利益2,109百万円(同4.7%減)、経常利益2,477百万円(同5.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,195百万円(同18.6%増)となりました。
セグメント別の概況は次のとおりであります。また、各セグメントに属する商品群及び、主な構成要素を以下表に記載いたします。
セグメント |
商品群等 |
主な構成要素 |
化学品事業 |
ソーダ関連薬品 |
か性ソーダ、塩酸等のソーダ工業に関する薬品 |
その他の無機薬品 |
硫酸、アンモニア等のソーダ関連薬品以外の各種無機薬品 |
有機薬品 |
溶剤、界面活性剤等の各種有機薬品 |
その他 |
キレート剤、グラウト材料等、上記に属さない化学薬品 |
機能材事業 |
包装関連商品 |
フィルム、容器、包装関連機器等の包装に関連する各種商品 |
合成樹脂関連商品 |
樹脂原料、添加剤、成型品等の合成樹脂に関する各種商品 |
設備・工事・産業材料 |
汎用機械、生産用機械等の各種設備、付帯工事及びエレクトロニクス、建築向け等の産業材料 |
その他 |
雑貨品等、上記に属さない工業用資材等 |
その他事業 |
連子会社8社 |
ソーダニッカビジネスサポート株式会社、曹達日化商貿(上海)有限公司、PT.SODA NIKKA INDONESIA、株式会社日本包装、SODA NIKKA VIETNAM CO.,LTD.、モリス株式会社、株式会社日進、有限会社野津善助商店 |
賃貸収入 |
保有動産・不動産等の賃貸による収入 |
化学品事業
売上高は前期に比べ0.8%増の43,402百万円、セグメント利益(営業利益)は前期に比べ9.9%増の3,752百万円となりました。セグメント利益への影響を基準とした、商品群別の取引推移等は以下のとおりであります。
ソーダ関連薬品は好調に推移いたしました。主力のか性ソーダは、エレクトロニクス業界向けの需要伸長により取引増加となりました。炭酸ソーダは窯業向けの販売数量回復等により取引増加となりました。塩化カルシウムは、冬季の降雪の影響により融雪用途需要が増加し、取引増加となりました。
その他の無機薬品は好調に推移いたしました。アルミニウム化合物及び鉄化合物は水質処理用途の受注拡大等により取引増加となりました。硫酸は食品業界向けに取引増加となりました。
有機薬品は堅調に推移いたしました。フッ素系溶剤は一部ユーザーの在庫調整等により取引減少となりました。その他のファインケミカルは電子材料向けの新規採用等により取引増加となりました。
その他の商品群では、トイレタリー関連商品が日用品向けの受注好調により取引増加となりました。
機能材事業
売上高は前期に比べ2.6%増の13,714百万円、セグメント利益(営業利益)は前期に比べ9.3%減の807百万円となりました。セグメント利益への影響を基準とした、商品群別の取引推移等は以下のとおりであります。
包装関連商品は前年度並みに推移いたしました。ナイロンフィルムは海外需要の落ち着きにより取引減少となりました。複合フィルムは食品業界向け、包装用フィルム・シートは輸出向けの需要伸長により取引増加となりました。
合成樹脂関連商品はやや低調に推移いたしました。ガラス短繊維及び物流容器はスポット案件の受注減少により、その他の熱可塑性樹脂は供給契約終了に伴い取引減少となりました。一方で工業用製品は新規案件受注により取引増加となりました。
設備・工事・産業材料は低調に推移いたしました。エレクトロニクス材料は取引増加となりましたが、機械器具設置工事は案件減少となりました。
その他事業
売上高は前期に比べ3.8%増の8,029百万円、セグメント利益(営業利益)は前期に比べ41.7%減の157百万円となりました。