2024年3月期の経営成績の概況
当連結会計年度におけるわが国経済は、インバウンド需要の拡大やサービス業における活動活性化等、非製造業の景況感改善にも支えられ、緩やかな回復の動きがみられました。一方で、海外経済の減速や地政学的リスクの高まりなど、景気の変動に注意を要する状況が続きました。
当社グループに関係の深い化学産業を中心とする国内製造業につきましては、期の序盤では部材供給不足の緩和に伴い、生産活動に持ち直しの動きがみられました。その反面、期の中盤より世界的な需要低迷等もあり、全体としては一進一退の動向となりました。
このような環境のもと、4ヵ年の中期経営計画「Go forward STAGE3」の初年度として、当社グループの基盤事業である化学品・機能材のトレーディングによる収益拡大が業績向上に貢献いたしました。加えて将来の成長に向けた変革期として、薬品貯蔵設備やパッケージ加工設備等への事業投資を推進し、ビジネスモデルの発展を念頭に事業活動に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高64,134百万円(前期比2.2%増)、営業利益2,213百万円(同27.1%増)、経常利益2,615百万円(同22.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,850百万円(同22.8%増)となりました。
セグメント別の概況は次のとおりであります。また、各セグメントに属する商品群及び、主な構成要素を以下表に記載いたします。
セグメント |
商品群等 |
主な構成要素 |
化学品事業 |
ソーダ関連薬品 |
か性ソーダ、塩酸等のソーダ工業に関する薬品 |
その他の無機薬品 |
硫酸、アンモニア等のソーダ関連薬品以外の各種無機薬品 |
有機薬品 |
溶剤、界面活性剤等の各種有機薬品 |
その他 |
キレート剤、グラウト材料等、上記に属さない化学薬品 |
機能材事業 |
包装関連商品 |
フィルム、容器、包装関連機器等の包装に関連する各種商品 |
合成樹脂関連商品 |
樹脂原料、添加剤、成型品等の合成樹脂に関する各種商品 |
設備・工事・産業材料 |
汎用機械、生産用機械等の各種設備、付帯工事及びエレクトロニクス、建築向け等の産業材料 |
その他 |
雑貨品等、上記に属さない工業用資材等 |
その他事業 |
連子会社8社 |
ソーダニッカビジネスサポート株式会社、曹達日化商貿(上海)有限公司、PT.SODA NIKKA INDONESIA、株式会社日本包装、SODA NIKKA VIETNAM CO.,LTD.、モリス株式会社、株式会社日進、有限会社野津善助商店 |
賃貸収入 |
保有動産・不動産等の賃貸による収入 |
化学品事業
売上高は前期に比べ3.0%増の43,040百万円、セグメント利益(営業利益)は前期に比べ14.8%増の3,416百万円となりました。セグメント利益への影響を基準とした、商品群別の取引推移等は以下のとおりであります。
ソーダ関連薬品は好調に推移いたしました。主力のか性ソーダは、各取引が堅調に推移したことにより取引増加となりました。また次亜塩素酸ソーダは官公庁向けの需要伸長により取引増加となり、塩酸はエレクトロニクス業界向けの需要伸長により取引増加となりました。
その他の無機薬品は好調に推移いたしました。アルミニウム化合物は自治体向け水質処理剤の新規受注等により取引増加となりました。またマンガン化合物は電池材料向けの販売数量伸長により取引増加となりましたが、尿素及び関連商品は取引先の在庫調整に伴い取引減少となりました。
有機薬品は堅調に推移いたしました。ラテックスは受注拡大により取引増加となりました。また界面活性剤は製品の切替やシェア拡大により取引増加となりました。
上記以外のその他の商品群は好調に推移いたしました。トイレタリー関連商品は日用品の受託製造取引の新規受注に伴い取引増加となり、キレート剤は清掃工場向けの取引拡大が進んだことから取引増加となりました。
機能材事業
売上高は前期に比べ1.7%減の13,361百万円、セグメント利益(営業利益)は前期に比べ17.5%増の889百万円となりました。セグメント利益への影響を基準とした、商品群別の取引推移等は以下のとおりであります。
包装関連商品は好調に推移いたしました。ナイロンフィルムは国内外向け食品用包材の需要好調に伴い取引増加となりました。複合フィルム及びポリプロピレンフィルムは食品業界向け案件の新規受注や需要伸長により取引増加となりました。また包装用フィルム・シートはアルミ箔の需給ひっ迫が一段落し、取引減少となりました。
合成樹脂関連商品は堅調に推移いたしました。ガラス短繊維は輸送機械用途での定期需要に伴い取引増加となりました。一方で、その他の熱可塑性樹脂は供給契約終了に伴い取引減少となり、工業用製品は樹脂部材における前年度のスポット受注分が取引減少となりました。
設備・工事・産業材料は好調に推移いたしました。機械器具設置工事は大型案件受注により取引増加となりました。排水処理装置は取引先の稼働低迷により取引減少になりました。
その他事業
売上高は前期に比べ5.1%増の7,732百万円、セグメント利益(営業利益)は前期に比べ24.9%増の270百万円となりました。